羽子板の起源、また飾り方やしまい方に処分方法とは

最終更新日 2024年11月9日

羽子板とは、羽根突きに使う道具の事です。

バドミントンみたいに遊ぶ事が出来、また羽をはじき返す板が、邪気を跳ね返すという事から縁起物として使われる事が多いです。

羽突きの時に使用する羽の形状が蚊を食べるトンボに似ている事から、無病息災で子供が成長出来ますようにという願いにつながったという説があります。

初正月を迎える男の子には破魔矢が縁起物として使われますが、女の子には羽子板が贈られる事が多いです。

正月に羽突きで遊ぶ時に使いますが、縁起物で使われるものは芸術性も高く羽突きには向いていないものもありますので、遊ぶ時は飾りがないものを使いましょう。

では羽子板、そして羽突きの起源はいつかというと、かなり前まで遡ります。

古くは奈良時代頃から宮中で行われていた神事と言われています。

しかし平安時代位までは、現在の使い方とは違い、木製の杖を使って打ち込むという野球みたいな遊び方をしていました。

それが鎌倉から室町時代頃になると、長方形の面と持ち手によって構成される板と木の実に羽をつけた羽根が使われるようになり、現在とほぼ同じ形が完成します。

この頃は神事というよりも、遊びのニュアンスが強いものでした。

それでも長く打ち合い続ける事で、無病息災の祈願にも通じるとされていた為、羽根をすぐに落としてしまうと健康祈願の途絶えになってしまうという考えから、羽根を落としてしまった場合は身を守る為に魔除けの力があるという黒い墨を塗っていました。

この羽突きの風習から、羽子板そのものが無病息災や厄払いになるというようになって現在に至ります。

さらに戦国時代になると、装飾も施されるようになって、縁起物の1つとして使われる事が多くなります。

そして主に遊ぶ用と飾る用というものも分けられるようになり、飾り用のものには美しい絵が描かれるようになりました。

そして江戸時代半ば頃になると、武家や公家の間で女の子が生まれると、お祝いとして贈られるというような風習も生まれます。

その後江戸時代後期になると、こうした風習が庶民にまで広がり、女の子が生まれるとお歳暮として贈るという事が定着します。

デザインも、歌舞伎役者の姿絵を使った豪華なものも登場し、大人気になりました。

現代でも毎年年末になると風物詩として、今年活躍した芸能人やスポーツ選手等をデザインした羽子板が発表されてテレビで大々的に報じられています。

現代では毎年正月に羽突きで遊ぶという人は少なくなりましたが、それでも飾っているという人はいます。

では具体的にどのように飾れば良いのかというと、一般的に飾る場所や方角は決まっていません。

縁起物であり、厄除けのお守りの一種なので、家の好きな所に飾ったり置いておくだけで充分です。

ただ重さがあり、落としてしまうと破損してしまう恐れもあるので、なるべく壁の高い所に飾るのではなく、落としても大丈夫位の高さの棚に置いておくと良いです。

また素材によっては、直射日光や湿気に弱いものもありますし、子供が触って倒してしまったり落としてしまったりするのを防ぐように気をつけましょう。

いつ飾れば良いのかというと、正月飾りに含まれているので大体12月13日位から28日までに飾ると良いです。

ただクリスマスの時期とかぶってしまうと、あまり合わないのでクリスマス関係の飾り物をしまい終わってから飾りましょう。

元々子供が元気に成長する事を祈願するものなので、15歳位になったら必要ないという考えもありますが、家全体の厄除けにもなるので飾りっぱなしにしていても問題はありません。

いつしまえば良いかというと、しめ縄や門松をしまう時に一緒に片付けるという事が多いですが、そのまま飾っておいても良いです。

ただずっと飾りっぱなしにしていると埃をかぶってしまうので、こまめに掃除しましょう。

気になるのは処分方法です。

特に初正月に女の子に贈られるものは、値段も高価ですしデザインも豪華なので扱いが難しいです。

目安としては大体15歳で役割を終えますので、それ以降はいつ処分しても問題ありません。

中学卒業で処分する人もいますし、高校卒業や20歳の成人まで飾っている家もあります。

豪華な羽子板飾りは、色々なところで売られており、寺社以外でも人形専門店や赤ちゃん洋品店、おもちゃ屋でも売られています。

その為処分する場合どうすればよいか分からず迷ってしまう人も少なくありません。

特に豪華な飾りがついているものは、顔が付いている人形でもあるので、雛人形に近いものとして人形供養に出すというのが良いです。

いちいち人形供養するのは面倒くさいという人は、もちろん一般ゴミや粗大ゴミとして出しても良いですし、処分するのは気が引けるという人はリサイクルショップに持って行けば買い取ってくれるお店もありますので、そちらを利用しましょう。

縁起物全般は、処分方法が決まっている訳ではありません。

その為どうすれば自分の気持ちが一番納得するかという方法で考える事が重要です。