最終更新日 2024年11月9日
聞いたことはあるかもしれませんが、産業医とは一体どのようなものなのかを知っていますか。
あまり知られていないかもしれません。
医と言う文字があるので、普通のお医者さんと同じようにけがや病気の治療をしてくれるイメージが強いかもしれません。
しかし、実際には企業内で活躍しているので普通のお医者さんとは違います。
産業医の仕事
企業と業務契約をしており、検査や治療を行うわけではありません。
健康な人や心が優れていない人などを対象にしており、就業環境や健康などについてのアドバイスなどを行います。
今の時代は心の状態があまり良くない人が多いのかもしれません。
特に、今年は新型コロナウイルスの影響で精神的に不安定になっている人が多いでしょう。
そう言う人に的確なアドバイスをすることができます。
個人的に精神科や心療内科を受診するのも良いかもしれませんが、産業医に相談するのも良いかもしれません。
今のままではあまり良い状態ではないということであれば、就労制限をした方が良いと言われるかもしれませんし、就労可能かどうかを判断する必要があります。
しばらく休んだ方が良いと判断されるかもしれません。
適切な判断をしてもらうことで、無理をして働き続けてより一層精神状態が不安定にならないようにしましょう。
必要に応じて医療機関を紹介してもらうことができる
もしも、治療が必要であると判断されたとしても、その場で治療を行うわけではありません。
必要に応じて医療機関を紹介してもらうことができます。
あくまでも検査や治療を行わないと契約していますし、検査や治療を行うのは普通のお医者さんの仕事だからです。
他にも企業内でやるべきことはたくさんあります。
毎月1回は必ず職場を巡視しなくてはなりません。
今は新型コロナウイルスの影響で実施を見送っている企業は多いです。
本来であれば職場を巡視してオフィス環境が快適であるかどうかを調べたりしなくてはなりません。
室内の照度や作業環境の照度が適切なのかをチェックしたり、温度や湿度の管理や換気や空調なども調べます。
作業空間や作業環境、通路幅などが適切かどうかも調べています。
特に今は新型コロナウイルス対策をしなくてはなりませんから、これらは特に重要かもしれません。
整理整頓や備品の管理やゴミの分別などまで確認
コンセントなどの電気用具の管理もしますし、整理整頓や備品の管理やゴミの分別などまで確認しています。
冷蔵庫や給湯室、トイレの衛生管理も行っています。
医と言う字が入っているとは言え、普通のお医者さんとはイメージがかけ離れたことまで企業内で行っていると言っても良いのかもしれません。
非常口や避難経路が確保されていることや消化器やキャビネットなどの設置状況、救急用具や防災備品などまで確認しなくてはなりません。
万が一、火災や地震などが発生した時に社員が安全に避難できるのかなどまでチェックしているというわけです。
受動喫煙対策のために分煙できているのか、安全衛生の取り組みなど以上のことを毎月、産業医がチェックしています。
毎月、巡視した際に何か問題点が見つかれば直ちに必要な措置を講じる必要があります。
企業に対して縁の下の力持ちのような役割を果たしていると言っても良いのかもしれません。
誰もが快適に、安全に作業をするためにはこれらのことを怠らないようにしなくてはなりません。
外部の人間が定期的に確認していないと、ついつい手を抜いてしまうことがあるかもしれないので、とても重要な役割を担っていることがわかります。
産業医を選任しなくてはいけない職場の条件
産業医を選任しなくては行けない職場には条件があります。
会社と言っても大企業もあれば中小零細企業もあるので、どのような規模であっても全く同じ基準と言うわけではありません。
従業員が50名以上が基準ではありますが、他にも選任する条件があります。
従業員数が50名以下であったとしても、月80~100時間超の残業をした従業員がいれば選任しなくてはなりません。
従業員が50名以上500名未満であれば一人だけ嘱託で選任し、500名以上1000名以下の場合は業種によっても違いがありますが、嘱託か専属で一人を選任します。
1000名以上3000名未満であれば専属で一人を3000名以上であれば専属で二人を選任すると決まっています。
ちなみに、正社員だけではなく派遣社員やアルバイトなどが職場にいることは珍しくありません。
以上の従業員数の中には正社員以外も含まれます。
職場で働いているわけですから、非正規雇用であったとしても、安全を確保する必要があります。
精神的な状態も含めて調べなくてはなりません。
まとめ
普通のお医者さんと似たようなことをするイメージがあったかもしれませんが、こうやって見てみると産業医は全く違うことを行っていることがよくわかります。
直接、検査や治療を行わないことは驚きだったかもしれません。
しかし、従業員の安全を守ってくれますし、精神的な状況を正確に把握してくれますからとても重要な役割を担っていることには変わりありません。