オール電化のメリット・デメリットを解説

最終更新日 2024年11月9日

近年、オール電化の住宅が増えていますが、そもそもオール電化の住宅とは家庭内で使用するエネルギーのすべてを電気でまかなう住宅のことを指します。
従来の住宅では、調理・給湯・空調に都市ガスやプロパンガスを使用していましたが、オール電化の住宅ではガスを一切使用しません。
したがって、ガスコンロの代わりにIHクッキングヒーター、ガス給湯器の代わりにエコキュートや電気温水器、ガスや灯油を使用する暖房ではなくエコキュートの熱を利用した床暖房や、電気代が安い夜間に蓄えておいた熱を日中に利用する蓄熱ヒーターなどを導入することになります。

オール電化住宅のメリット

光熱費の節約につながる可能性がある

オール電化の住宅には様々なメリットがありますが、まず挙げられるのは光熱費の節約につながる可能性があることです。
必ずしも光熱費が安くなるわけではありませんが、各電力会社が提供しているオール電化住宅向けの料金プランは、夜間料金が安いという特徴があります。
夜間料金が安いものの日中料金が高めという側面はありますが、共働きなどで日中に電気をほとんど使わない家庭の場合は光熱費の削減につなげることが可能です。

光熱費の管理がしやすくなる

光熱費の管理がしやすくなるというメリットもあります。
ガスを併用した住宅とは異なり、ガス料金が発生しないので光熱費の計算がしやすくなります。
加えて、ガスの基本料金がかからないのでその分の光熱費を削減できますし、新築住宅を建てる際にガスの配管工事が不要になるので建設コストを抑えることも可能です。

安全性の高さ

安全性の高さもメリットのひとつで、火を使うことがないため火災のリスクを低減できますし、ガス漏れや不完全燃焼による一酸化中毒の心配もありません。
そのため、共働きで子供だけで留守番をする機会が多い家庭や、介護が必要な高齢者などがいる家庭でも安心して生活できるでしょう。

キッチンの掃除が楽になる

また、キッチンの掃除が楽になるというメリットもあります。
IHクッキングヒーターは、ガスコンロとは異なりトッププレートがフラットなので掃除の負担を軽減することが可能です。
トッププレートと鍋などの調理器具を直接接触させて調理するため、年数が経過するとともにトッププレートが黒ずんだり、傷ついたりする恐れはありますが、汚れをサッと拭き取るだけで掃除できるのは、家事をする方にとって大きなメリットと言えるでしょう。

災害時でも水が使える

加えて、IHクッキングヒーターは火を使わないので安心安全に利用できるとともに、部屋が暑くなることがないので夏場でも快適に調理できるというメリットもあります。
さらに、災害などで断水した際に、エコキュートや電気温水器のタンク内の水を生活用水として活用できるというメリットもあります。
エコキュートや電気温水器のタンクには常に水が溜まっているため、断水が起こったとしてもタンク内の水をトイレや洗い物などに使用することが可能です。
衛生面の問題から飲用水としては使えませんが、災害時でも水が使えるという安心感を得ることができます。

電気は災害時の復旧が早い

また、ライフラインの中でも電気は、災害時の復旧が早い傾向があります。
実際に、東日本大震災では被災から3日後には約80%、8日後には約94%の電気が復旧しています。

オール電化住宅のデメリット

このようにオール電化住宅には様々なメリットがありますが、メリットだけでなくデメリットもあるので注意が必要です。

初期費用が高額

まず挙げられるデメリットは、初期費用が高額になることです。
現在のところ、IHクッキングヒーターやエコキュート、電気温水器といった設備は、ガスコンロやガス給湯器と比べると導入コストが高額になる傾向があります。
すべての設備を合わせると100~200万円前後かかるのが一般的で、場合によっては300万円を超えるケースもあるので、この点については十分に念頭に置いておきましょう。

全ての住宅設備が機能しなくなる

また、上記の通り電気はガスや水道と比べると復旧までのスピードが早い傾向があるものの、災害などによって停電が発生すると、全ての住宅設備が機能しなくなるというデメリットもあります。
特に冬場は部屋を暖めるための手段がなくなってしまう恐れがあるので、灯油ストーブを用意しておくなどの対策が必要です。

IHクッキングヒーターは直火調理ができない

さらに、IHクッキングヒーターは直火調理ができないとともに、使用できる調理器具に制限があるというデメリットがあります。
ガスと比べて調理の幅が狭くなるとともに、IH対応の調理器具に買い替える必要があるので注意が必要です。

エコキュートは設置場所に困ってしまう可能性がある

加えて、エコキュートはガス給湯器と比べてサイズや重量が大きいため、設置場所に困ってしまう可能性があるとともに、場合によっては設置場所の補強工事が必要になり導入費用が高くなる恐れがあります。
また、エコキュートはお湯を沸かす際に機械音が発生するという側面があります。
隣人との騒音トラブルに発展するケースも少なくないので、設置場所に注意を払うとともに、状況に応じて防振ゴムなどの緩衝材をエコキュートの下に設置したり、防音シートをヒートポンプユニットの貼ったりすることが大切です。

 

参考リンク
エスコシステムズ蓄電池